はりときゅう

ピグマリオン それは愚かな王様のお話

ピグマリオンとはギリシャ神話に出てくる登場人物の一人で、簡単に要約すると、ピグマリオンという王様が、自分の結婚相手を探すも理想とする女性に出会えなかったので、自ら 理想の女性を彫刻し、愛情を注ぎ続けたら神様が見かねて、神の力で彫刻を人間の女性に変えピグマリオン王と結ばれるというお話です。

神話や昔話の良いところの1つとして、話がシンプルなため、色々な視点で読み解くことができるというところにあります。

例えばシンデレラであれば、いつかは幸せがやってくるとも言えますし、美人でなければ幸せになれないとも解釈できます。
作者が存在すればどういう意図で書いたか聞くこともできるかもしれませんが、解釈の仕方は読み手の自由だと私は考えます。

話をピグマリオンの物語に戻しますが、この話を読んで、どう感じたでしょうか?
よりちゃんとした話はネットで調べれば出てきます。

受け取り方は人それぞれですし、この話を読んでも何も感じない人もいるでしょう。それでも、最初に感じる印象はあなただけのものですので、是非味わって欲しいと思います。

私はこのピグマリオンの話はお気に入りの一作です。

ピグマリオン王の1つの物事に懸ける想いは凄い事だと思います。
人形を妻にするなんて言えば、彼は王様ですから家臣にも家族にも国民にも色々と説得させられたはずです。それどころか、ピグマリオン王ですら、人形が人間になるとは思っておらず、愛おしい人形として愛情を注いでいたはずです。

強く祈り、愛情を注げば人間になると分かっていれば頑張れる人もいると思いますが、報われる事などほぼありえない状況で、多くの人からは狂人と思われるような事を、自分の体が壊れるまで信じ続けられることは凄い事です。

事実神様が見ていなければ、彼は人形を愛して生涯を終えたはずです。それでも、私は彼が不幸と感じなかったのではと思います
 
何を始めるにも、効率やデメリット、コスパやタイパを考えるのは合理的ですし、多くの場合事前に調べることは大切です。

一方で何かを愚直に信じて進むそんなものが人生に一つでもあれば、それはすごく幸せな事なのかもしれません。

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